こぐま会の学習内容~6領域~
小学校から始まる教科学習の基礎づくりを6つの領域に分けておこないます。こぐま会のカリキュラムは35年間の研究と実践をもとに、思考力を育てるための選りすぐりの課題、活動を取り入れています。

未測量
量を土台にして数概念を学びます
大きさ・多さ・長さ・重さそれぞれを比較する方法や、量の相対化(比較する対象を意識し、関係の中でとらえること)、量の系列化(ものの順番を表すための順序数の考え方)を学びます。
位置表象
視点を変えてものを見る目を育てます
上下・前後・左右といった基本となるものの位置関係を正確に捉え、表現できるようにします。そして、自分とは異なる場所・方向からの見え方を「地図上の移動」「四方からの観察」で学習し、他者の観点からも同じことができるようにします。
数
四則演算の基礎を身につけます
「ものを正しく数える」ことから始め、「同数発見」「数の構成」につなげていきます。また、数の比較である「求差」や、生活の中で子どもたちが自然におこなっている「等分」「分離量」などを生活場面に即して身につけます。
図形
図形感覚(平面・立体)を高めます
平面・立体、それぞれの基本的な図形の特徴を捉えることから始め、形の見くらべ、正確に描き表す練習、構成・分割などを通して、イメージする力をつけていきます。
言語
聞く力・話す力を養います
「読む・書く」の前提として「聞く・話す」力は重要です。人の話や絵本・紙芝居を正確に聞きとる力を身につけるとともに、日常の生活体験に根ざしたお話づくりを行います。また、同頭音・同尾音、しりとり、反対言葉など、言葉遊びを通して日本語学習の基礎を身につけます。
生活 他
認識能力を育てます
生活の中における物の属性や、物と物との関係性を把握し、ものごとの理解を多面的に深めていくことが、すべての学習の土台になります。入学後の「生活科」につながる、理科的常識や社会的常識を中心に学習します。
こぐま会の指導方法~3段階学習法~

身体全体でかかわる活動
集団でのごっこあそびなどを行います
「勉強」というと、まず問題集やドリルなどが思い浮かぶと思います。しかし幼児が興味をもって自ら取り組もうとするのは、五感で感じることのできる対象です。授業でも、まず遊びや生活の場面を再現し、ごっこ遊びなど身体全体を使う活動から始めます。自然なかたちで学習をスタートさせることで、積極的に取り組む姿勢が生まれます。
事物を使った試行錯誤
教具・カード教材などを操作します
興味を持つことから思考は始まります。興味がなければ人は考えるということはしません。そのために事物教具は授業に欠かせません。見て、触って、考えて、視点を変えて・・・と繰り返すことに思考力を育てるポイントがあるのです。授業では1人ひとりの子どもたちが事物教具を操作する時間を確保しています。
ペーパー問題で思考の抽象
具体から抽象へ
事物教材を使用すると、子どもが実際に目で見て、手で触って考えることができます。しかしペーパー上ではそうもいきません。例えば、印刷された小さな図形を動かして組み合わせて大きな図形を組み立てることはできません。頭の中でイメージしながら解答しなければなりません。幼児にとって、ペーパー問題とは非常に抽象的な難易度の高いものなのです。授業の最後はペーパー問題を解くことで、子どもたちの理解度を「具体から抽象へ」レベルを引き上げます。