第7週 授業報告


年中、年長ともに第7週は「未測量」でした。

年中クラスでは、多さくらべ。年長クラスでは、重さくらべです。


量の多少や重さの比較というのは相対的なものなので、必ず何かと比べて、多いか少ないかを判断することになります。理解の順序としては、次の2つが最低限の基礎となります。


①2つのものを比べて、多少・軽重を判断できる

②3つのものを比べて、一番多い、中くらい、一番軽い、を判断できる


この次のステップとして、多い順に並べる、重い順に並べる、という学習を授業でしました。


このとき、やってはいけないことは、例えば多い順に並べるときに、年中生に対して「まず1番多いものを選んでね。次に2番目に多いものはどれ?」と指導することです。1番目、2番目というのは順序数(順序を表す数)ですが、年中生だと、まだ集合数(個数を表す数)との区別が十分についていません。子どもによっては全く区別がまだついていないこともあります。年長生だとある程度は区別がついている子が多いです。


例えば、

①まず1番重いものを選んでね。

②残ったものの中で1番重いものは?

③残ったものの中で1番重いものは?・・・×繰り返し


このように順番に選んでいくと、結果的に重い順に並べることができるのです。



年中クラスでは、5段階の水の量のペットボトルを多い順に並べましたが、年長クラスでは、異なる重さの箱(大きさは同じ)を用意して、シーソーを使って重い順に並べました。系列化(多い順、重い順)が目に見えるか、見えないかの違いがあります。可視化されない重さくらべは難易度が高いです。



集合数と順序数の概念(イメージ)は体験を通して徐々につくっていくしかありません。以前小学生に算数を指導していましたが、この問題を出すと、解ける子と解けない子ではっきり分かれます。集合数と順序数の概念が身についているかを点検できる問題です。


花子さんの前には5人並んでいます。後ろには3人並んでいます。

(1) 花子さんは前から前から何番目ですか。

(2) 列に並んでいるのは全部で何人いますか。



小学4年生でも(1)5番目、(2)8人と答えてしまう子もいました。正解は(1)6番目、(2)9人です。5番目と答えた子には「うっかりミスだね」と言いたいのですが、本質的な問題として集合数と順序数の概念を正しく認識できていない可能性もあるのです。



算数につながる概念を正しく持てているかどうかで、小学生中~高学年で大きく差が生まれ始めます。正しく概念を理解していなくても低学年のうちは何とかなってしまうのが算数の怖いところです。就学準備とは、ひらがな・計算を入学前に練習することではなく、このような概念形成であるべきです。


※就学準備としてのひらがな・計算の練習を否定するわけではありませんが、重要度は高くありません。



今回は集合数・順序数の概念形成というテーマで書きました。「概念形成」とは少し難しい言葉ですが、ここに算数分野における幼児教育の価値があります。今後も授業を通して少しずつお話していければと思います。


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